特別展「ひめゆりとハワイ」に関する疑問にお答えします。
Q:なぜ「ひめゆりとハワイ」?
A:ひめゆりとハワイにはたくさんのつながりがあります。ひめゆり学徒隊引率教師の親泊千代子先生はハワイ生まれでした。ひめゆりの塔周辺の購入資金を寄付したハリー・儀間真一さんはハワイ出身の沖縄系2世でした。戦後、ハワイに移住したひめゆり同窓生もいます。本展示会では、これらのつながりを紹介しています。
また、本展示会の目的は、ハワイや海外の人々にひめゆりについて知ってもらい、ハワイとひめゆりのつながりを発見していただくことでした。そのため、ひめゆりの戦争体験に焦点を当てた1章「ひめゆりと沖縄戦」と、ハワイとひめゆりのつながりを紹介する2章「ハワイのひめゆり」の2部構成となっています。海外向けであるため、日本語と英語のバイリンガル表記となっています。
Q:なぜウェブ上でも展示を公開するのか?
A:コロナ禍により簡単に行きたい場所に行けない状況となってしまいました。国内や県内においても、資料館に足を運んでいただくことがむずかしい中、展示を見てもらうにはどうすれば良いかと考えたときに、ウェブ上で展示が閲覧できるよう専用のホームページを作るアイディアが浮かびました。ウェブ上では公開していない資料(元ひめゆり学徒の証言や実物資料など)もありますが、ホームページから展示会の内容を理解することができます。多くの方にとって、ひめゆりを学ぶ機会になることを期待しています。また、実際の展示会では、ウェブ版とは異なるパネルデザインやウェブ上では公開されていない資料などもありますので、見比べることも本展示会の楽しみの一つです。
Q:「ひめゆり平和研究所」とは?
A:2017年に設立されたひめゆり平和祈念資料館の付属機関です。ひめゆりの理念を広く伝えることを目標に、海外への情報発信に取り組んできました。2018年には、アンネ・フランク・ハウスが開発した映像制作ワークショップ「メモリーウォーク」を実施。資料館の取り組みを伝える英文ニュースレターも発行しています。また、新しい表現を見つける取り組みとして、2018年から「“ひめゆり”を伝える映像コンテスト」を主催しています。
Q:「沖縄戦・ひめゆり学徒隊の歴史を海外に伝える展示プロジェクト」とは?
A:ひめゆり平和研究所が2019年に立ち上げた展示プロジェクトです。ひめゆりの展示会を海外で実施したことはまだありません。ひめゆりの沖縄戦を海外の人々に伝えるために展示プロジェクトを企画しました。海外での展示会は多くの費用が必要となるため、本プロジェクトが沖縄県文化振興会の「沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業」として採択されたことは幸いでした。ひめゆりともつながりがあるハワイを第一回目の開催地として、ハワイ現地での聞き取り調査などを進めていましたが、新型コロナの影響により、残念ながら展示会の開催は延期となってしまいました。また海外への渡航が可能となった際には、ぜひハワイで展示会を開催させたいと願っています。